国民年金基金とiDeCoの違いと活用法



両者の特性

 

 

財産にゆとりがあれば、それでもいいのかもしれませんが、想定外の出費、医療費、介護費の負担などが続いた場合など、貯蓄をかなり切り崩して生活することになります。いつか貯蓄残高がゼロになってしまう可能性だってあります。自営業者の場合は、国民年金だけでは足りないので、国民年金基金とiDeCoは非常に重要な要素になるのは間違いないでしょう。

 

自営業者にとって税制面の扱いは重要な要素です。掛金については、両方とも全額所得控除で、他の個人年金よりも有利な扱いになっています。特に国民年金基金は家族の掛金分も負担すると、まとめて所得控除ができる社会保険料控除になっています。これは国民年金の保険料と同じです。

 

iDeCoは小規模企業共済等掛金控除です。従って本人のみの控除です。またiDeCoは一時金として受け取ることも可能で、その場合でも退職所得控除が適用されて、税制上は有利な扱いになっています。

 

国民年金基金とiDeCoにおいて最も異なる点は、給付の額、その給付の額を決める運用指図です。国民年金基金は、既に定められた給付額となり、自分で運用の指図をする必要はありません。

 

一方のiDeCoは、運用商品を自分で選択して、運用指図も自分で行います。運用益は非課税扱いですが、運用成績によって給付の額が変動します。この違いはかなり大きいので、上乗せ年金を検討する際にしっかり確認する必要があります。

 

給付方法についても違いがあります。国民年金基金は生涯受け取ることができる終身年金ですが、iDeCoは、5年以上20年以下の有期年金もしくは一時金での受取りが多くなっています。両制度とも選んで併用することも可能です。

 

ポイントは掛金の上限がある点で、両制度合わせて年額81.6万円(月額6.8万円)までで組み合わせてください。自営業者の場合は、上乗せの年金について早めに考えることが重要だと思います。